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ロレックスの歴史

1905年に英国で誕生したロレックスの歩みと、代表モデルについてご紹介致します。

1905年
ハンス・ウィルスドルフがロンドンに時計商社「ウィルスドルフ&デイビス社」を興す
1908年
「ROLEX」という名前がスイスのラ・ショー・ド・フォンにて商標登録される
1910年
丸型11”キャリバーがビエンヌで「クラス1」(クロノメーター)を取得
1914年
丸型11”キャリバーがキュー天文台で腕時計として初めて「A」を取得
1919年
スイス ジュネーブに本社を移す
1926年
オイスターケース、スイスで特許取得
1927年
  • ・イギリスでねじ込み式リューズが特許取得
  • ・ロンドンの速記記者メルセデス・グライツが、ロレックスオイスターを腕にドーバー海峡を泳いで渡る
1933年
360度回転式の自動巻き機構「パーペチュアル」が特許取得
1945年
世界初、小窓に日付が表示される防水、自動巻き、クロノメーターの「デイトジャスト」「デイト」発表
1953年
  • ・イギリスエベレスト登山隊のエドモント・ヒラリーとシェルパのテンジン・ノルゲイが人類初登頂に成功。テンジンがオイスターパーペチュアルを使用
  • ・エクスプローラー発売
  • ・サブマリーナ(100m防水)発売
1954年
  • ・パイロットの使用を目的に「GMTマスター」を発売
  • ・サブマリーナ(200m防水)を発売
  • ・科学分野(発電所/医療施設)に携わる人向けに開発された「ミルガウス」を発売
1956年
デイデイト発売
1959年
サブマリーナ(200m防水)ツインロック式ねじ込みリューズ仕様発売
1960年
深海探査船「トリエステ号」の外側に取り付けられた特別オイスターが、世界記録の深度10908mに到達
1961年
オイスターコスモグラフ発売
1969年
デイト付きのサブマリーナ発売
1971年
ヘリウムガス排出バルブ付きで610m防水「シードゥエラー」発売
1972年
  • ・フランスの潜水会社「コメックス」と契約
  • ・エクスプローラー2発売
1978年
ラインホルトメスナーがエクスプローラー2を腕に、エベレスト無酸素登頂に成功
1980年
防水性能を1220mにまで高めた「シードゥエラー」発売
1983年
短針のみ独立可動の「GMTマスター2」発売
1988年
コスモグラフデイトナ発売
1990年
短針独立可動の「エクスプローラー2」発売
1992年
  • ・ヨットマスター発売
  • ・ロレックスUSAがデイトナスピードウェイで24時間耐久レースを主催
1999年
  • ・ヨットマスターロレジウム発売
  • ・デイトナ自社新開発cal.4130搭載により、全てのモデルが自社ムーブメント搭載に
2003年
サブマリーナ生誕50周年記念モデル「グリーンサブマリーナ」発売
2004年
ターノグラフ発売
2007年
  • ・ミルガウスシリーズ再発売
  • ・ヨットマスター2発売

創業者とロレックスの飛躍

ロレックスの創業者であるハンス・ウィルスドルフはドイツに生まれ、24歳の若さでロンドンに時計商会「ウィルスドルフ&デイビス社」を設立した。元々、ラ・ショー・ド・フォンの貿易会社で時計を扱っていた事もあり、以前から親交のあったスイスのエグラー社にムーブメントを自社の時計をスタートさせた。当時エグラー社は先進的なムーブメント開発能力を持ち、ウィルスドルフのアイディアや改良点の指摘を受け、改善していく事で優秀なムーブメントを生み出していった。1910年にはビエンヌ歩度検定所において、腕時計として初めての「クラス1」(クロノメーター)を取得。1914年には同ムーブメントで、世界で最も厳しい検査を行うキュー天文台(イギリス)においても「A」を取得に至る。これは史上初の事であり、当時の時計関係者を驚かせた。

オイスターケースしかし、これ程優秀なムーブメントでも、気密性の低いケースに入れる事で湿気や埃にさらされてしまっては、すぐに性能の低下を招いてしまう。そう考えたウィルスドルフが注目したのが「オイスターケース」であり、それを製造するオイスターウォッチカンパニーであった。オイスターケースとは1つの金属の塊からケースを削り出す事で、気密性を極限まで高めようという考えを元に作られ、潜水艦のハッチにヒントを得たねじ込み式の裏蓋とリューズを持つケースである。それまで非防水時計が主流であった当時に、オイスターケースによって高い防水性能を得られた事は画期的な出来事であった。

こうして高い精度のムーブメントと防水時計としての地位を確立していったロレックスであったが問題点もあった。手巻きであるが故に毎日のリューズ操作が欠かせず、リューズのねじ込みを忘れてしまうという事だった。そこで次に求められたのがゼンマイを巻く必要の無い自動巻きの開発であった。永久という意味を持つ自動巻き機構「パーペチュアル」が1931年に登場し、これは世界初の防水自動巻き時計の誕生でもあった。腕の動きによってローターといわれる半円形の重りが360度両方向に回転し、それによってゼンマイを巻き上げていくこの機構は1933年に特許を取得している。
こうして時計メーカーとして後発であるロレックスは、ウィルスドルフの合理的な考え方でムーブメントにエグラー社、ケースにオイスターウォッチカンパニーを選び高い精度と品質をもった時計を生み出した。これにパーペチュアルを加える事で、今後のロレックスの躍進に繋がる下地が出来上がっていった。

特殊モデルの登場

1950年代に入ると現在も販売され続けている特殊モデルが次々と発表される。いち早く防水対策に取り組んでいたロレックスのオイスターケースは頑丈で防水、防塵に優れていたことから、1940年代までに多くの冒険家や探検家に使用されてきた結果がこれらのモデル作りに反映されたと思われる。1927年のメルセデスグライツのドーバー海峡横断から始まる多くのチャレンジを支えてきたロレックスは、それの成功によって時計の性能が証明され彼らの実際使用してみての不具合などを反映し、モデルチェンジを重ねるごとに改良を加えている。

サブマリーナ / Rolex Submarina

ロレックス サブマリーナ1926年にオイスターケースにより完全防水時計を完成させたロレックスは、いち早く潜水時計開発に着手した。現在では300m防水のサブマリーナではあるが、1953年発売当初はたった100m防水であった。それでも当時の通常のオイスターケースから改良を加え、100m防水を達成できたのは画期的な事であった。また、ダイバーズウォッチの特徴的な回転ベゼルが最初に採用されたのもサブマリーナである。その後、ベゼルの逆回転防止機能の追加や、リューズガードの追加、トリプルロック式のリューズ採用による防水性能の向上など改良が加えられながら、現在でも基本的なスタイルは変わらずに製造され続けている。


エクスプローラー / Rolex Explorer Ⅰ・Ⅱ

エクスプローラーⅠ1953年に発売されたエクスプローラーは、極限の状況下でも正常に使用できるように開発され改良されてきた。1960年代には50m防水となり、後に100m防水まで性能が上げられている。また、現在のようにオイルの性能も良くなかった当時にマイナス20℃からプラス40℃まで潤滑性能の変わらないオイルも採用されていた。


エクスプローラーⅡその後1972年に「昼夜の感覚を失ってしまう洞窟探検家にうってつけ」という振れ込みで、カレンダーと24時間針が追加されたエクスプローラー2が発売される。1953年のエドモント・ヒラリーのエベレスト初登頂や、1978年のラインホルト・メスナーによるエベレスト無酸素登頂の成功時にエクスプローラーが使用されていた事からも、その精度や堅牢性の高さがうかがえる。


GMTマスター / Rolex GMTmaster

50年代に入り国際線の飛行機が増えると、時差のある時間帯を行き交うパイロット達にとって二つの時刻を表示する時計が必要となった。そんな中、1954年にロレックス初のパイロット用モデルGMTマスターが登場した。この時計はGMT針と24時間表示の回転ベゼルを持ち第二時間帯を表示することが出来る。その後1983年に、短針のみ独立して操作する事の出来るGMTマスター2の登場により、第三時間帯までの表示が可能となり使い勝手も向上した。


デイトナ / Rolex Daytona

ロレックス デイトナ1961年コスモグラフが発売された。当時ダイアルには「DAYTONA」の表記があるものとないものがあり、他の特殊モデルのように正式なシリーズではなかったようである。正式なシリーズ「コスモグラフ・デイトナ」となるのは1988年から。プッシュボタンがある分防水的に不利なクロノグラフであるが1970年代に入るとプッシュボタンにもねじ込み式(スクリュー・ダウン・プッシュボタン)を採用し、当時で50m防水を誇った。さらに改良を重ね1980年代にはトリプルロックリューズを採用することで100m防水までを可能としている。


現在のロレックス

ロレックス 現行モデル創業者であるハンス・ウィルスドルフの時代に生み出された「オイスターケース」「パーペチュアル」「デイトジャスト」これらのいずれも改良を重ねられながら、現在のロレックスの中核をなすモデルの基本要素として採用され続けている。また、最近では昔に販売されていたモデル「ターノグラフ」や「ミルガウス」などの復刻もみられ、ロレックスの歴史を重んじる姿勢が見てとれると共に、いかに当時からの基本設計や考え方が優秀であったかが理解できる。それと同時に1999年デイトナのcal.4130の開発による全モデルの自社ムーブメント化や、2007年のヨットマスター2のcal.4160の開発など積極的に新しい技術にも挑戦を続けている。

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★POWER watch[パワーウォッチ]掲載
2014年1月号の企画特集「時計修理&メンテナンス コンプリートガイド~ロレックス編~」に当修理工房が「全国時計修理優良店」として紹介されました!
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